スタジオジブリの名作『風立ちぬ』ですが、実在した人物(堀越二郎)と小説(堀辰雄)をモデルとし、構成しているせいか、何なのか分かりませんが、感想としてはラストシーンが特に難解で、初見の段階では意味が分からず感動するに程遠い状況になってしまってました。。。
そんな意味がわからないラストシーンについてのストーリ展開とその端的な最後を補填するべき情報、そして、感動した人たちのロジックを紹介していきたいと思います!
風立ちぬ ラストシーンのあらすじを簡単におさらい!
夢の中で、主人公・堀越二郎は飛行機の残骸の中、歩き草原に出た。
そこで、カプローニに出会い、二郎が設計した戦争に向かうゼロ戦と敬礼するパイロットたちを眺め、切ない会話をしていると、カプローニが二郎を待ちわびていた人を指さした。
その先には、白いパラソルを立てキャンバスに絵を描く女性がいた、それは菜穂子だった。
「あなた、生きて…」と菜穂子が微笑んだとたんに風吹いた。
風立ちぬ 菜穂子のモデルが実在!堀辰雄と婚約者の物語がマジ泣ける…
その風に流されるかの如く菜穂子は、溶けてなくなった。二郎は、「ありがとう…」とつぶやく。
そして、カプローニが言った『君は生きねばならん…』
主題歌「ひこうき雲」と共に映画は幕を閉じる…
風立ちぬラストシーンがあっさりしすぎて意味がわからない…
多少、私の主観も入っているかもしれませんが、上記のあらすじの様な流れでラストシーンが描かれています。
その、内容は特に波乱を感じるような表現であるものの丁寧な菜穂子と二郎の心情を映し出すような説明めいた描写はなく、淡々と静かに流れていく感じでかなり淡泊ですね。
そんな感じで、めちゃくちゃあっさりしたラストシーンとなり、説明してくれる描写前提で身構えていると、ちょっとついていけず、意味が分かりませんね。。。
そして、「夢の中」という前提によってかなりその状況の現実味が曖昧になっちゃっている部分もあるんですね。
そして、明確に表現されない菜穂子のその後…
きっと、そういった理解が追い付かなかったが故に、意味が分からず、感動し損ねたと思います。
何回か見返したり、ほかの人の解釈を聞いたり、ネットで感想やレビューを見たりしながらその部分を補填していった感じですね。
とは言え、たぶん一発目に理解できた人と比べると確実に感動レベルは劣ると思いますけどね。
でも、悶々とするよりいいか~(笑)
風立ちぬラストシーン、菜穂子の最後に感動した人の解釈とは?
では、そんなラストシーンに感動できた人達はどのような解釈をしているんでしょうか?
まずは、誰もが気になる菜穂子の生存状況についてですが、恐らくは逝ってしまわれた、という可能性が濃厚ですね。
多くの人がそのように解釈をしていますね。
その根拠は「山に帰る」と言われているシーンですね。
自分の命がもう長くないと悟った菜穂子が山へ戻るときに黒川夫人が「美しいところだけを好きな人に見てもらったのね…」と言ったあたりで、自分の苦しむ姿を二郎に見せたくないといったことを間接的に表現していると解釈できます。
ですので、この前提で行けば実は二郎は、菜穂子の最後を看取っていないということになりますので、ラストシーンの夢の中で会ったのがお別れの挨拶であり、それが『ありがとう』『生きて…』に繋がると考えられます。
これ、菜穂子の優しさと明確にお別れしていないけど、逝ったことを悟った二郎の心情を考えると、後追いですが涙が出てきそうです( ;∀;)
風立ちぬ 菜穂子のモデルが実在!堀辰雄と婚約者の物語がマジ泣ける…
と言うあたりが感動した人たちの概ねの解釈ですね。
ある種、淡々と描かれた最後の流れというのは、夢が故に明確な深い心情の表現がない描写になっているのかなぁとも解釈できます。
あと、ラストシーンで感動できなかった人の中には声優の棒読みが…って話もありましたよね。でもこれって考え方次第じゃないでしょうか?
リアルに考えると、設計者って職人気質ですから寡黙で無口のおしゃべり下手って前提を付け加えれば、表現の不器用さとのギャップで萌えたりしませんかね?
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ということで、ラストシーンの意味が分からなかった方はこれを知ったうえでもう一度見てみると、違う見え方になったりするかもしれませんよね!
では、楽しんでいきましょ~!